週末はだらだら寝ていたーいと言う人へ、とは言っても僕もだらだら寝ていたいうちの一人なんですけどね。やっぱり、アラーム機能をオフにしてぐっすりと二度寝しないと、普段の疲れが取れないでしょ。と思っている僕を含めた皆様、実はいいことではないらしいです。
というわけで今回は、週末に寝過ごしてはいけない理由をご紹介します。
目次
睡眠習慣が抱える問題
週末に目覚ましが鳴って起きたけれど、「今日は休みだから」と再び寝入る。これはとても幸せではありますが、実はいいことではないんです。その理由は一体何なのでしょう?このような不規則な睡眠習慣が抱える問題に迫ります。
1.時差ぼけになる
時差ぼけは旅行に行かなくてもなることがあるんです。遠い国への旅行は時差ぼけの価値ありなのは間違いありませんけどね。これが社会的時差ぼけと呼ばれるもの、ミュンヘンのルート・ヴィヒマクシミリアン大学医療心理学研究所のティル・ローネンバーグ博士によって生み出された言葉です。彼は平日と休日の睡眠習慣のギャップが大きすぎる場合に、この社会的時差ぼけが発生すると言っています。
ほとんどの人にとって、週末の寝だめは自然な欲求。素敵な週末の1日にぐっすり寝てゆっくり起きるか、それとも仕事はないけど、いつも通りに起きるかの二択を聞けば、大体の人が前者を選ぶでしょう。でもこれをしてしまうと、まるで時差が起こっているかのような錯覚を体が覚えてしまうんです。ローネンバーグ博士は送る時差を金曜日の夜にロサンゼルスから東京へ移動し、月曜日に再びロサンゼルスへ戻るようなものだと例えています。
実際の移動の際、体は日の出に合わせてリズムを調整しようとしますでも、この場合はずっと同じ家にいるわけですから、体がうまくこのギャップについて行くことができなくなるんです。
2.体内時計が狂う
朝、目覚ましなしで起きられない人は体内時計が狂ってしまっている可能性があります。誰にも朝起きるタイミングや夜寝るタイミング、まだ寝ていて、良い時間帯を教えてくれる体内時計が存在します。概日リズムとも呼ばれるこの仕組みは、要するに脳の中で既に24時間を計っている時計のようなもの、普段朝7時に起きるのに週末は12時まで寝ている人は、この時計が大きく狂わされてしまいます。
体が正しく時間を計ることができなくなってしまうと、疲労感集中力の低下、注意の散漫、頭痛、吐き気、うつなどの症状が現れます。リズム常に大事にしてあげましょう。この症状を経験する人は、何も二度寝をしたがる人ばかりではありません。
頻繁に旅行する人や夜勤勤務の人も同様のリスクを抱えているんです。トマス・ジェファーソン大学病院の睡眠障害センター長、カール・ドグラムジ博士は、平日と週末の起床時間の差が、1時間以上あればもうこのような症状が現れてしまうのだとしています。
差が1時間以内であれば問題はないそうです。
3.体重が増加する
家で寝ている最中は、食べていない故に寝ている間は太らないはず。でも実は、そういうわけにはいかないんです。ローゼンバーグ博士は2012年に行った研究で65000人からデータを収集、社会的時差ぼけがBMIの数値を高めることを発見しました。
体の代謝や食欲、エネルギー消費を司る仕組みは一定のリズムで働きます。睡眠が不規則になると体が例えば、血糖値を下げたり食物をエネルギーに変えたりといったリズムが破壊されます。こうなってしまうと脂肪たっぷりの食事や夜食が欲しくなってしまうことになります。
また、2015年に the Journal of clinical endocrinology and metabolism で発表された研究では、平日の睡眠リズムが乱れている人は、トリグリセリド量が高く善玉コレステロールの数値が低いことが明らかになっています。
2012年にハーバード大学医科大学院が行った研究では、睡眠の乱れが人の基礎代謝を低下させ、年間でおよそ4.5 kg の体重増加を招くことが分かっています。睡眠の乱れの影響はもちろん。
たった数キロの体重では終わりません。2015年の研究では起床時間の時差が大きければ例えば、普段は朝6時に起きるが、週末は昼の1時に起きるといった7時間のギャップがある習慣などの場合糖尿病や心血管系疾患のリスクが高まることが分かっています。
4.体のエネルギーが低下する
概日リズムつまり体内時計は、体のエネルギー量の管理において重要な役割を果たします。多くの人は、深夜の2時から朝方の4時にかけてエネルギーの低下を感じ、昼食直後の午後1時から午後3時に再びエネルギーの低下を感じるリズムで動いています。
規則正しい睡眠リズムで生活し居眠りと無縁である人は、このような極端なエネルギー量の変動を経験しないと言われています。こういった人は、頭がシャッキリとして状態で仕事をし、ランチものデスクで居眠りすることがありません。とは言え睡眠のスケジュールを守らない多くの大人の場合、このエネルギーの低下が最悪のタイミングで訪れる場合があります。
通常は、午前2時から午前4時の間で起こる深い睡眠が不規則な睡眠習慣を持っている人の場合、午前4時から午前6時に起こります。起きなきゃいけない時間帯にこうなるのは、結構ハード大問題です。不規則な睡眠をしていると昼食後にも頭が働かなくなるどころか、毎日違ったタイミングで気力体力がダウンすることになります。
職場でいきなりそうなってしまうと気づいて目を覚ましたら、カンカンな上司に身体を揺すられていることになるかもしれません。
5.気力が無くなる
日中ずっと眠いと感じている人はアクティブに、動くことがとにかく億劫になりますよ。社会的時差ボケで体のエネルギー状態も影響を受けていて疲れてしまいます。そうして影響を受けていくのが感情や精神の健康状態、社会的時差ぼけを経験している人は基本的にぼーっとしてしまうのだと言われています。
部屋に入っても、何のためにそこに行ってきたのかを忘れてしまったり。また社会的時差ぼけは、10代の若者にも悪影響を与えます。まだまだ気分の変化を受け入れる経験が浅く、判断力も低くネガティブな感情に弱い状態でこれらの症状を抱え込んでしまうと、もういっぱいいっぱいになってしまいますからね。
6.時差ぼけの解消・予防
それでは睡眠リズムが崩れていると感じている皆さんへ、対策のアドバイスをご紹介します。朝爽やかな気持ちで目を覚まし、一日中エネルギッシュに活動させてくれる完璧睡眠を得るための心得です。
a.睡眠スケジュールを厳守する
当然ながら普段の睡眠スケジュールをとにかく守るようにしましょう。抱えている仕事やプロジェクトが、規則正しいリズムを困難にします。しかし、理由もなく睡眠リズムが乱れてしまっている人は、まずここから始めるようにしましょう。
b.2度寝は1時間以内に起きる
二度寝する時は、普段の起床してから再度10分以上寝ると、深い眠りに入ってしまうので避けましょう。もし、2度寝が必要な場合、アラームを5分後にセットし直して、次のアラームでしっかりと起きましょう。そうすることで体内時計を狂わされることがなくなります。
c.昼寝はできるだけ避ける
ストーニーブルック大学睡眠障害センターのモハメド・アミン博士は就寝時間を遅らせてしまう恐れがあるため昼寝はするべきではないとしています。長く寝過ぎると健康を害する可能性があることが多数の研究から明らかになっています。
昼寝をとる習慣がある人はしない人に比べ、心筋梗塞や脳梗塞などによる死亡率が高くなるとのこと。 長すぎる昼寝は認知症にも関わっていて、1時間以上の昼寝をする高齢者では、アルツハイマー病の発症率が2倍程度になるとのこと。
d.光セラピーまたは日光浴で体内時計を正常化
体の体内時計を正常化させたいと思ったら光セラピーお試しても良いでしょう。体は光を感じると目を覚まし暗闇の中で眠りにつくようにできています。次に寝るときはカーテンを開けておき朝の陽の光が差し込むようにしておくと効果があります。
e.睡眠時間は7時間以上を推奨
アメリカ睡眠医学会は大人の睡眠時間として7時間以上を推奨しています。普段5時間から6時間しか睡眠が取れていない人は、いわゆる睡眠負債を抱えてしまうことになります。健康を損なうリスクがあるので気をつけましょう。
f.睡眠を妨げているものを特定
最も大切なポイントは、自分の睡眠を妨げているものを特定しそれを改善することです。長期的な解決策としてはこれがベストなものとなります。社会的時差ぼけから抜け出すことは簡単ではありません。その症状のせいで毎日ゾンビのように生活しなくてはならなくなってしまいます
今回のポイントを押さえ、意志の力をしっかりと持てば、必ず解決することができる問題です。
エネルギーに溢れた毎日を過ごしましょう。