僕は今、マレーシアのペナン島ってところに居るんですけどね。日系の定食屋さんがありまして、とんかつ定食が500円ぐらいで食べられるんですよ。味もなかなかでして重宝させてもらってます。しかしながら、ひょんな事からダイエットを初めまして、最近は肉ではなく野菜炒めと納豆の定食を選んで食べてます。しかし、肉を食べていないと無性に食べたくなるんですよね。
っと言うわけで、今回はダイエットにも役立つ、ノーベル賞を取った断食をご紹介します。
目次
オートファジーって何?
人の体は自身の細胞を分解し、それを再利用しています。2016年に日本の大隅良典博士が、この仕組みであるオートファジーの研究によってノーベル生理学医学賞を受賞されました。一体「オートファジー」とは何なのか、断食とどのような関係について見ていきましょう。
体の組織が細胞を毎日入れ替え続けていることは御存知ですよね。この入れ替わるスピードは、臓器ごとに違っているんです。一部の体の器官は、細胞を一切入れ替えないことすらあるんです。さてでは、この身体の中で死んだ細胞は、一体どこへ行くのかご存知ですか?分子細胞生物学の大杉博士は人が老廃物を体から取り除く仕組みを何年も研究されていました。 この仕組みに名づけられた専門用語がオートファジーです。
1.オートファジーの仕組み
名前の由来は、ギリシャ語の「オート、すなわち自分自身」と「ファージ、すなわち食べること」つまり「自分を食べる」という言葉の組み合わせで成り立っています。なんだか言葉だけを聞くと恐ろしくなってきます。しかし、この仕組みこそが皆さんの体を健康に保ってくれている仕組みです。オートファジーはベルギーの生化学者クリスチャン・ド・デューブによって発見されました。
この発見により彼は、1974年にノーベル生理学医学賞を受賞、1960年代に彼は肝臓組織の研究を開始し、そこで興味深い発見をしたと言います。彼が発見したのは、細胞が持っていた再利用のための期間。この期間はのちに「リソソーム」と名付けられました。
2.リソソームの働き
リソソームは細胞の胃のような働きを持っています。中には消化酵素が入っており、その酵素を利用して、リソソームは細胞内に溜まって行く壊れた組織や食物、バクテリア、ウイルス、その他の老廃物を消化吸収するんです。これらすべてのゴミは、リサイクルされ新たな細胞やエネルギーへと生まれ変わります。
これがオートファジーの仕組み、人の身体が生きていくために必要不可欠なシステムなんです。つまり、リソソームの力によって体は様々なタンパク質をアミノ酸へと変換することができます。やがてそれは、新しい細胞を作るための資源・資材となります。
3.動物性タンパク質の必要性
すると浮かんでくる疑問は、動物性たんぱく質を食べなくても細胞は新しく生まれ変われるのか?仮に生物の体が一切の動物性タンパク質を体に取り込まなかったとした場合、どうなるのかを研究した結果分かったことは、その生物の体内には、動物性たんぱく質を食べた時と同量のタンパク質や炭水化物が存在しているという事実なんです。
この謎の結果には理由があるんです。つまり体は、かねてより体内に存在していて、死んだあるいは壊れた細胞やバクテリアをタンパク質の供給源として利用することが出来ます。毎日、私たちの体は200gから300gのタンパク質を入れ替えていると考えられています。
ですが平均的な人が摂取するたんぱく質量は、1日あたり70gそれだけでは全然足りていません。ここで、オートファジーがその力を発揮します。タンパク質のゴミの山を再利用することで、体に十分なたんぱく質を供給してくれるんです。
4.オートファジーが機能しない
体のオートファジーの仕組みが、正しく働かないとき人が発症するのが、2型糖尿病、パーキンソン病、がんなどといった高齢者の病気です。このリサイクルシステムが働きを失ってしまうと、壊れた細胞やその破片が体の中にとどまり続けてしまうようになります。
すると癌細胞や危険なウイルスやバクテリアを無力化する力を体は失ってしまいます。結果それが病気へとつながってしまうんです。
5.オートファジーが活性化するには
このオートファジーが体にかかるストレスが高まることで活性化することを発見しました。このようなストレスは、断食、食事制限あるいは飢餓といったものからもたらされます。このような状況下にあると、細胞は細胞のゴミを使い始め、病原性バクテリアまでをも食料にし、細胞を再生させようとします。
体がタンパク質を利用しようとするために体のゴミを一掃し始めるんです。大隅博士の研究では、空腹状態や断食が体内の有害な細胞やゴミを除去する助けになるとしていました。しかも、断食を行うと細胞の寿命が延び、生み出すエネルギーも多くなるんだそうです。
6.体のお掃除に役立つデトックス効果
体内で発生する炎症も減るとのこと、また食事制限も同時に行うと、体内の一酸化窒素も増加します。 一酸化窒素は体のデドックスを行ってくれる物質なんです。つまり、定期的な断食。つまり食べる期間と食べない期間を設けた断食は、体のお掃除に役立つのです。
またダイエットや新陳代謝の活性化にも有効です。健康的な恩恵は、数限りなく糖尿病のリスクの低下や炎症や酸化ストレス、血圧の低減などといった効果が期待できます。また癌の予防にもなるそうです。コレステロール値を正常化させる効果も持っています。
断食の種類
断食にはいくつかの方法があるため、ご自分に合わせた形で行うことができます。また、断食の目的は人それぞれですが、経験豊富な医師や専門家のもと、少しずつ体を慣らし、安全に水断食を行いましょう。
a.24時間断
食この断食は1週間のうちに一日を選び、その日は何も食べずに過ごします。朝ごはんを食べるのはOKです。例えば、月曜の朝8時に朝食をとった場合は、翌日火曜日の朝8時まで何も食べずにいることで、活性化できます。
b.1日置き断食
この断食は1日普通に食事をする日を設け、その次は断食をします。断食の碑には何も食べずにいなくてはならないわけではありません。普段の日の摂取カロリーを2000キロカロリーとした場合、断食の日にはカロリー量を500キロカロリーに制限します。
ちなみにあるグループがカロリーの摂取量を2~6年間20%制限したところ、血糖値、血圧、コレステロール量が大きく改善したという結果が得られています。体重も正常値になったそうです。
c.1食断食
断食をいきなりするのはちょっとという人は、1食だけ断食するところから始めてみましょう。食事を1回抜くだけで新陳代謝と体のデトックスを活性化させることができます。もちろん食事を1食抜いた次の食事では、食べ過ぎないようにしましょう。
d.毎日断食
この断食は1日の間の8時間はものを食べてよく。残りは断食をするいうパターンを毎日を行うというもの、別名16対8断食と言います。16時間は断食を8時間は食事が可能ということです。慣れないうちは食べてよい時間を長めにとると良いでしょう。
朝の8時に朝食を取ったら、夕食を夕方の6時に取るといった形にします。これで断食の時間を14時間確保したことになります。慣れてきたら時間を延ばしていきましょう。
e.水断食
この断食は一週間のうち一日を選び。その日は水か砂糖を加えられていないジュースのみで過ごします。この断食に最適な季節は春です。1年を通して行うことができる断食です。
7.菜食主義でも問題なし
大隅博士の研究から分かることは、一般的に言われているほど菜食主義の人々には、動物性タンパク質が不足していないということです。吸収するルートが他の人とは違うということなんです。動物性たんぱく質は、食べたいかどうかは本人が決めるべき問題です。
しかし、ベジタリアンではない人は肉の食べ過ぎを避けたほうがよいでしょう。外からタンパク質を肉やチーズや牛乳といった形で摂取してしまうとオートファジーが働かず、体の中にゴミの山がたまる一方になってしまうんです。
そんな時に断食をしてみたい、あるいはカロリー制限をしてみたいと思ったときは、一週間に動物性タンパク質を摂らない日を数日分設けてみるのも一つの方法かもしれません 。